人と会っただけでぐったり。
何気ない一言がずっと心に残ってしまう——。
そんな繊細さを持つHSPさんにおすすめしたいのが、「イメージワーク」というセルフケアの方法です。
今回は、イメージワークとはどんなものか、なぜHSPさんに向いているのか、そして今日からできる実践方法まで、やさしくご紹介します。
ちょっとした刺激でぐったり…そんなHSPさんにおすすめの「イメージワーク」って?

「人のちょっとした言葉に傷ついて、ずっと心に残ってしまう」
「にぎやかな場所に行くだけで、どっと疲れる」
「休んでいるはずなのに、頭の中がぐるぐるして休まらない」
こんなふうに、ちょっとした刺激で心がすり減ってしまうこと、ありませんか?
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)の方は、感覚がとても繊細で、周囲の空気や人の気配を敏感にキャッチします。
だからこそ、人よりも疲れやすかったり、気を使いすぎてしまったりします。
しかも、頭では「大したことじゃない」と思っても、心や体はちゃんと反応してしまう…
そんな自分に「また気にしすぎてる…」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも、あなたが繊細なのは“弱いから”ではなく、それだけ感受性が豊かで、想像力があるからこそ。
その力は、本来とても大切なものです。
そんなHSPさんのやわらかい心を整える方法として、ぜひ知ってほしいのが「イメージワーク」。
心の中に安心できる場所を描いたり、気持ちを優しく包んだりすることで、そっと自分をケアすることができるので、ちょっとチェックしてみてください。
答えは“想像の中”に。やさしく心を整える「イメージワーク」

ちょっとしたことで心が疲れてしまうHSPさんにぴったりのセルフケア――
それが、「イメージワーク」です。
イメージワークとは、頭の中で安心できる風景や、自分を守る光などを思い描くことで、心を落ち着かせていく方法。
道具もいらず、場所も選ばず、思い浮かべるだけで心に変化が起こる、とてもやさしいケアなんです。
たとえば…
- 森の中を歩いている自分を想像して、呼吸を整える
- ふんわりと光に包まれているイメージで安心感を得る
- モヤモヤした気持ちを「黒い雲」に見立てて、風に乗せて流す
こんなふうに、頭の中で“心地よいストーリー”を描くことで、緊張していた体がゆるみ、思考もゆっくりになっていきます。
一見すると「ただ想像するだけ?」と思うかもしれませんが、HSPさんの持つ“感じる力”や“想像する力”が、このワークにぴったり合っているのです。
HSPさんは“感じる力”と“想像する力”が豊か。だからイメージワークが自然になじみます

イメージワークがHSPさんに向いている理由、それはズバリ、「想像の世界をリアルに感じ取る力」があるからです。
HSPの方は、心理学者エレイン・アーロン博士によって提唱された「感覚処理感受性(SPS)」が高いと言われています。
これは、音や光、人の気配、空気の変化などに敏感で、五感を通して多くの情報を受け取る力があるということ。
そしてそれは、外側の刺激だけでなく、内側=心の中で感じるイメージにも敏感であるということでもあります。
実際、脳の研究によると、HSPの方は共感や内省に関わる脳の領域(島皮質や前頭前皮質など)が活発に働く傾向があるそうです。
これはつまり、「イメージの中に入り込みやすい」「空想をリアルに感じやすい」脳の仕組みを持っているということ。
だからこそ、頭の中で思い描いた安心の風景ややさしい光が、実際の安心感や落ち着きにつながりります。
HSPさんの繊細さや想像力は、もともと備わっている大きな力。
それをイメージワークという形で活かせば、無理なく自然に、心を整えることができるのです。
今日からできる!HSPさんにやさしい「イメージワーク」3つの実践例

「イメージワークって興味はあるけど、どうやってやるの?」
そんな方のために、今日から試せるシンプルで効果的なワークを3つご紹介します。
どれも数分でできて、特別な道具も必要ありません。
お気に入りのものが見つかったら、ぜひ日々のセルフケアに取り入れてみてくださいね。
1. 安心できる場所を思い描くワーク
まずは、心がホッと落ち着く場所をイメージしてみましょう。
海辺、森の中、静かな図書館、自分の部屋でもOK。実際に行ったことがある場所でも、想像上の風景でも大丈夫です。
ポイントは、五感をフルに使ってイメージすること。
- 空気のにおいは?
- 聞こえる音は?(波の音、鳥の声など)
- 光の色、肌にあたる風の感覚は?
こうしてイメージを深めることで、まるで本当にその場所にいるような安心感が得られます。
2. 自分を包む「光のバリア」ワーク
「人の感情をもらいやすい」「他人の一言がグサッとくる」…
そんなときは、自分をやさしく守る“光のバリア”をイメージしてみてください。
やり方はとてもシンプル:
- 目を閉じて深呼吸しながら、あなたの体のまわりに“ふわっと光が広がっていく”様子を思い描きます。
- 色は自由。金色、白、ピンクなど“自分が安心できる色”でOKです。
- その光が外からの刺激を和らげて、あなたを守ってくれるイメージを持ちましょう。
「今日ちょっと疲れそうだな…」という朝にやっておくと、1日の中で心がゆるみやすくなります。
3. 感情を“カタチ”にして流すワーク
モヤモヤ、不安、イライラ…。
言葉にしづらい感情があるときは、それを色や形でイメージして“手放すという方法も効果的です。
やり方:
- 今の気持ちを色・形・質感で表現してみます。
(例:「どろっとした灰色の雲」「チクチクする黒いトゲの玉」など) - そのイメージを風に乗せて空へ放ったり、光に溶けるように想像してみてください。
- そのあとで「安心の色」や「やさしい空気」で自分の内側を満たしていくと、心がじんわり落ち着いていきます。
イメージワークは、“思い浮かべるだけ”で心の状態が変わるシンプルでパワフルなセルフケア。
気負わず、絵本を読むような気持ちでやってみてくださいね。
イメージワークは、HSPさんが“自分に戻る”ためのやさしいセルフケアです

HSPさんは、人の気持ちや周りの空気にとても敏感。
それはすばらしい才能である一方、毎日の刺激で心がすり減ってしまうことも多いですよね。
そんなときに、自分の内側にそっと戻れる方法があるとしたら――
それが今回ご紹介した「イメージワーク」です。
頭の中に安心できる景色を描いたり、光で自分を守ったり、感情をふわっと流したり…。
どれもあなたの中にある“想像する力”を使って、心を整えていくシンプルでやさしい方法です。
イメージワークに正解はありません。
大切なのは、「自分が心地よい」と思えること。
1日5分でもいいので、あなたの心が「ほっ」とできる時間をつくってあげてください。